「アーティスト」や「アートに興味のある人や企業」が集まり、それぞれの困りごとや挑戦してみたいアイデアなどを通じて繋がるコミュニティイベント「SGN Talks」
Vol.2とVol.3は、堀川御池ギャラリーで開催したアートイベント「Art Break Kyoto」(2024年12月6日〜8日)の中で実施しました。

今回はVol.1から趣向が変わり、京都市教育委員会が実施するトライアルサウンディング事業の一環として、行政目線でのトークテーマを基に、お互いの交流を深めていきます。


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【SGN Talks Vol.2「アーティスト目線で考える2050年の京都」】
12月7日に開催したSGN Talks Vol.2では、京都市 総合企画局 都市経営戦略室の葉山課長にご登壇いただき、ファシリテーショングラフィッカーの馬場さんにまとめていただきました。


都市経営戦略室では現在、令和8年以降の京都市政の基本方針を示す「長期ビジョン(仮称)」の策定に向けた取組として、市民意見を募集されています。そこで今回は「アーティスト目線で考える2050年の京都市」をテーマとし、アーティストが主体的に京都市の未来について考える機会を設けるとともに、一般の方々との意見交換を行いました。

まず葉山課長から、参加されたアーティストや一般の方々に向けて「長期ビジョン(仮称)とはなにか」「なぜ作るのか」といった概要を語っていただき、その後トークテーマの①と②について、グループに分かれて意見をシェアしていきました。

トークテーマ①は、「アーティストが活躍する上で、京都市に存在するポテンシャルと阻害要因」についてです。
各グループからは
●アートを学べる学校は多いが、アーティストとしての生き方を教えてくれる人は
少ない
●伝統産業に関わりたい人は多いが、どこに連絡していいかすら分からず、
挫折している人がいる
●アートイベントは多いが、市民や観光客に伝わっていない
(情報を取りまとめる媒体がない)
などの意見が出ました。

トークテーマ②は、「アーティスト目線で考える2050年の京都市の理想像」についてです。
25年先という長い目線で見た時に、どういう形が理想的なのかを、各グループで考えていただきました。
各グループからは
●子供のうちからアート体験を通じて感性を育み、資産価値としてではなく
アートそのものが受け入れられる、地域住民等の受け手の文化力が高い街
●駅などのパブリックな場所や街の至るところでアート作品が無料で見れるようにする
●異業種交流ができ、アーティストを応援してくれる人(ファンやパトロン)を
見つけられる
●アーティスト版の『そうだ、京都に行こう』を実現し、アーティストとして
生きることを目指す人が最初に集まる街
●アーティストが集まり学ぶ街であり、その才能を世界に向けて拡散する旅立ちの街
などの意見が出ました。

非常に多様な意見が出たところで、最後に、全体の振り返りと統括を葉山課長に行っていただきました。
たくさんの良い気付きを得られ、一言一言が身に染みた一日でした。
街を作るのは誰か。それは学識の人だったり、行政であったり、何か力を持った人が街を変えていくっていう風に思いがちですけれど、本当に街の文化や歴史を作っていくのは、街に住む1人1人の普段の営みの集合体だと思っています。
ですので、この場で紡がれた言葉は確実に未来を作る言葉になっていて、僕らも紡いでいきたいと思いますし、皆さんもここで得られたことを通じて、一緒にこれからの街の歴史を作っていくことができると素敵だなと思っています。
Vol.2で登壇していただいた葉山課長が所属する都市経営戦略室では、意見募集・情報発信WEBサイト「みんなの理想京(ideal Kyoto)」を開設されています。多様なテーマでの意見募集をされておりますので、皆さんの意見もぜひ投稿してみてください。
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【SGN Talks Vol.3「アート×公共施設で創る未来」】
12月8日に開催したSGN Talks Vol.3では、堀川御池ギャラリーのさらなる発展を目指した「今後の創造的活用」を中心に、京都市 教育委員会 教育環境整備室の菅野課長にご登壇いただき、ファシリテーショングラフィッカーの三宅さんにまとめていただきました。

まず、菅野課長から今回の会場となった堀川御池ギャラリーと、棟内の京都市立芸術大学サテライト施設「@KCUA(アクア)」が整備された経過について話していただきました。
<参考>
トークテーマ①は、「アートに限らず、堀川御池ギャラリーにどんな機能があれば利用したいか」についてです。
各グループからは
●地域住民が利用しやすいカフェなどが入った交流の場
●アーティストとファンやパトロンとの交流の場
といった意見に加え、
●施設が開放的な見た目をしていないため、入りにくい
という問題点にも言及されました。
トークテーマ②は、「公共施設とアートを掛け合わせる時、どんな機能があれば京都市や地域住民にとってメリットがあるか」について参加者同士で語り合い、
各グループからは
●子供がデジタルアート等を学び・発表する機会を通じて、感性を磨き、
将来の選択肢の幅を拡げるような教育機能
●市内のギャラリーやアート展のイベント情報を伝えるHUB機能
●伝統産業の職人やアーティストの製作風景の見学
といった意見が出ました。

最後に、全体の振り返りと統括を菅野課長に行っていただきました。
それぞれのお立場から、常日頃感じておられる課題や理想像について、自由に意見していただきありがとうございました。
皆さんからいただいたご意見を参考にし、芸術センター・みやこめっせ・生き方探究館などとの区別化を行いつつ、新たな出会いの場所として機能する「ワクワクするような場所」を目指していきます。
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